君のとなりで恋をします。─上─












「─────香純!」










後ろから柊吾の声が聞こえたと同時に、力強く腕を引かれる。


その反動で体は反転し、自然に彼と目が合う。





私の顔を見るなり、安堵の溜息を零した彼。












「…よかった、泣いてない。」









きっと、さっきの出来事を心配して来てくれたんだろう。










「私があんな事で泣くわけないでしょ?」









私がそう言って笑うと、彼も笑った。




せめてあと二日だけは、柊吾に余計な心配をかけたらいけない。

今はバスケだけに集中してほしいから。