「香純。
みんなすぐそこの山に行くって。
…香純も行くだろ?」
片付けを始める私を当たり前のように手伝う柊吾はそう言う。
山に囲まれたこの体育館は、少し登ればすぐに山に入れる。
まぁ、この辺はすごく田舎だし…
遊ぶ所なんて山くらいしかないよね。
「うん…私も行くよ。
ハメ外しすぎないように見張らないと(笑)」
はしゃぎすぎて誰かが怪我をする未来しか見えない。
「じゃあ、着替えたら玄関に集合しよう。」
「あ…
その前に桜河の所に行きたいんだよね。」
「桜河?」
首を傾げる柊吾に、私はヤツとのメッセージのやり取りの画面を見せる。