「怒んなってー。

香純ちゃんは柊吾のだもんなー(笑)」








「あはは…。

もう、キャプテン。何言ってるんですか。」











え…?もしかしてバレてる?


内心不安になりながらも、必死でその場を取り繕う。












「おーい、並べー。

試合始めるぞー。」








タイミング良く、審判役を務めるうちのコーチがホイッスルを吹いた。











「香純ちゃん、俺の事見ててね。」







「何やってるんですか、キャプテン。

…行きますよ。」










ズルズルとキャプテンを引っ張って行く柊吾と一瞬だけ目が合う。





フワッと柔らかく微笑んだ柊吾に、私はもうノックアウト寸前。




…やられた。