「あ…荷物はこちらに置いてください。」
体育館内の空き部屋に荷物を置くように促すと、聖陵の選手たちは持っていたバッグを綺麗に並べておいた。
…さすが。
強豪校はこういう所から違うよね。
一人で感心していると、不意に市原哲平と目が合った。
「あ……あなたは…さっきの!」
彼は私を見るなり、すごく驚いた様子を見せる。
そんな彼を見たチームメイトたちは、興味津々に私と彼を囲う。
「お、何何?
哲が女の子と話してるの、珍しいじゃん。」
「つーか、紅羽羨ましすぎるだろ!
こんな可愛い子がマネージャーなんて!」
「俺らも女子マネ欲しい!!」
周囲は一気に大騒ぎ。
さっき体育館に入ってきた時は、みんなすごく大人びて見えたけど……
やっぱり中身は男子高生だな……。



