君のとなりで恋をします。─上─












暇人桜河のことは柊吾に任せて、私は急いで練習試合の準備に取り掛かる。






スコアボードを出して、ベンチ用にパイプ椅子を並べて…

選手たちのドリンクの補充に、試合球の準備。






せっせと動き回るうちに、時間はあっという間に過ぎていて…








気づけばもう2時を回っていた。








しまった…

お昼ご飯を食べ損ねた…。







一人しょんぼりしていると、キャプテンから声をかけられる。

















「香純ちゃん。

相手校が見えたみたいだから、一緒に出迎えに行こう。」






「はい!」










グルグルと鳴るお腹を押さえながら、キャプテンと一緒に入口で待機する。





その時にチラッと柊吾の方を覗き見たけど、
いつの間にか桜河の姿はなくなっていた。

…本当に何しに来たの、あいつ。