暇人桜河のことは柊吾に任せて、私は急いで練習試合の準備に取り掛かる。
スコアボードを出して、ベンチ用にパイプ椅子を並べて…
選手たちのドリンクの補充に、試合球の準備。
せっせと動き回るうちに、時間はあっという間に過ぎていて…
気づけばもう2時を回っていた。
しまった…
お昼ご飯を食べ損ねた…。
一人しょんぼりしていると、キャプテンから声をかけられる。
「香純ちゃん。
相手校が見えたみたいだから、一緒に出迎えに行こう。」
「はい!」
グルグルと鳴るお腹を押さえながら、キャプテンと一緒に入口で待機する。
その時にチラッと柊吾の方を覗き見たけど、
いつの間にか桜河の姿はなくなっていた。
…本当に何しに来たの、あいつ。



