君のとなりで恋をします。─上─














「香純、どこまで行ってたんだ?」











柊吾は心配そうな顔をして、こちらに駆け寄ってくる。


私、そんなに遅かった?











「ごめん。

途中で具合が悪そうな人がいて…」








それが市原哲平だったことは、あえて言わないでおいた。

…彼にもきっとプライドはあるだろうし。










「なかなか帰ってこないから…

……ん?何で桜河がここに?」









私の後ろからぬっと現れた桜河を見て、柊吾は目を大きく見開く。











「柊吾…悪いけど、こいつと遊んでやって。

…私は練習試合の準備があるから。」