君のとなりで恋をします。─上─













「大丈夫です……」










か細い声が返ってくるが、彼は俯いたまま顔を上げようとはしない。




大量の汗に、顔色もあまり良くない…

軽い熱中症かな…?




私はポケットに入っていたハンカチを近くの冷水機で濡らして、彼の首筋に当てる。









「…立ちくらみとかありますか?」







「…はい、軽く……。

…でも大丈夫です。」










ようやく顔を上げた彼の顔を見て、私は思わずギョッとする。







だってこの人って……


…市原哲平…………!?







いや、落ち着け私。

目の前にいるのは熱中症患者。



できる限りの応急処置をしないと…