失恋なんて、最初からわかっていたことだ。




だから今まで通り、彼女の幸せを願う男を演じきってやろう。

今は、アイツが笑ってくれるだけで十分だから。






そうすれば、いつかきっとこの想いも薄れていくはず。



元々、あいつらの邪魔をする気なんてサラサラねぇし。








でも…


その代わり、もしあいつが泣くことがあれば
その時は絶対に柊吾を許さねぇ。




俺は小さくため息をついてから、重い腰をあげる。









さすがにもう終わってるよな?


はやくあいつにイチゴ牛乳を渡して、今日はなるべく早く帰ろう。

正直、今日はいつも通りに香純と接する自信が無い。





これから大好きな彼女に会うにも関わらず、
足取りは重かった。




さっきコンビニで買ったアイスクリームは、
ドロドロに溶けてしまっていた。