君のとなりで恋をします。─上─












「女の私より可愛い照れ方しないで!」










訳のわからない怒り方をする香純に、俺は思わず吹き出してしまう。










「え、笑った!?」







「いや…」














だって可笑しいだろ。




別れ際に、薄暗い街灯の下でキス。

自分で言うのも変だけど、それなりには良い雰囲気だったはず。




それなのに、このタイミングであの怒り方を
する女の子なんて他にいるんだろうか…?



…いや、彼女にとってはあれは照れ隠しだったのかもしれないけど…














「もう、いつまで笑うの!?」










俺の胸元を叩こうとする彼女の拳を止めて、
そのまま腕を引いて抱き締める。