「女の私より可愛い照れ方しないで!」
訳のわからない怒り方をする香純に、俺は思わず吹き出してしまう。
「え、笑った!?」
「いや…」
だって可笑しいだろ。
別れ際に、薄暗い街灯の下でキス。
自分で言うのも変だけど、それなりには良い雰囲気だったはず。
それなのに、このタイミングであの怒り方を
する女の子なんて他にいるんだろうか…?
…いや、彼女にとってはあれは照れ隠しだったのかもしれないけど…
「もう、いつまで笑うの!?」
俺の胸元を叩こうとする彼女の拳を止めて、
そのまま腕を引いて抱き締める。
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