君のとなりで恋をします。─上─









たった数秒のことだった。

でも俺には時が止まったように感じられて…







そっと唇を離して、彼女の様子を伺う。





少しの間硬直した彼女だったが、しばらくして状況を理解したのか、茹でダコのように真っ赤な顔を両手で覆った。













「…き、き、きっ……!?」





「ごめん、フライングした。」










想像以上に動揺する彼女に、一応謝っておくことにした。

俺に言わせれば、可愛すぎる香純も悪いけど…











「本当は今度の試合に勝つまで我慢するつもりだったんだけど…


ごめん、どうしても今したくなった。

…嫌だった?」









俺がそう問うと、彼女は大きく首を左右に振る。