君のとなりで恋をします。─上─













「あら、柊吾くんもう帰るの?」






「はい。

遅くまでお邪魔してすみませんでした。」








「何言ってんの〜!

なんなら、夕飯ご馳走したいくらいよ!」











本当に明るくて気さくな人だ。

香純の性格はきっと母親似なんだろう。



明るくて温かくて…

そばにいるだけで安心感を与えてくれるような…そんな人。










「ははっ。また今度誘ってください。」






「絶対来てね!約束よ?

今日はうちの馬鹿がお世話になりました。」









笑顔でサラッと毒を吐くおばさんに、もちろん香純も言い返す。









「私の馬鹿は、お母さんに似たんです。」







「あらやだ、香純ったら〜。

…柊吾くん、気をつけて帰ってね?」









「はい、お邪魔しました。」