「忘れないうちに解いちゃおー。」
はしゃいだと思えば、すぐにまた真剣な表情に戻って…
色素の薄い綺麗な髪を耳にかけるその仕草に、俺の心臓は高鳴る。
伏せた長いまつ毛がやけに色っぽくて、あまりにも彼女の横顔が綺麗で…
そっと彼女に手を伸ばした。
さっきはあんな約束したけど…
正直、めちゃくちゃ触りたい。
抱きしめたいし、キスもしたいけど…
もし今、この二人きりの空間で彼女に触れてしまえば、きっと歯止めが利かなくなる。
わかっているのに…
彼女に触れたい衝動が抑えられない。
彼女の髪に、俺の手が触れる瞬間─────



