「天李さん、おはようございます。朝餉運ぶの手伝います」


「ありがとう、中西さん。じゃあこっちをお願いできるかしら」


いそいそと天李を手伝う平隊士。


はじめはこうじゃなかった。


紹介されたばかりの頃は、女ということで何かとちょっかいをかけられていた。


しかし天李はそれら全てを無視して、黙々と与えられた仕事に取り組み、隊士全員の名を覚えて声をかけ、稽古では舐めてかかってきた隊士を返り討ちにした。


「傍観してるなんてひどいよ」と平助が俺たちを叱ってきたこともあったが、その心配も無用の長物だったらしい。