さっきと明らかに様子が違う。


「平助は本当に優しいし、軟禁をといてくれたのも感謝している。でも私は、あなたが思っているような綺麗な人間じゃない」


「天李…」


「すべてを犠牲にしても自分の幸せを最優先にするような…もっと、ずっと、冷たい人間よ」


向けられた目にゾクリとした。


無、という言葉が似合うような…それでいて燃え上がる野望のような…。


そんな形容しがたい感情をしていた。