と思ったが。


永倉は目を見開いて俺を見た。


「土方さん…本当に今までずっと気づいてなかったのか?」


嫌な予感しかしない。


「何がだ」


「総司のやつ、結構前から土方さんの発句集を書き写してみんなに見せまわってたぞ」


「……」


「…これ、やっちまったな、俺」


永倉はそそくさと部屋を出て行き、俺は1人残されることになった。


きっと今の俺は鬼のような表情をしていることだろう。


この後部屋に入ってきた天李が、俺の顔を見て青ざめたのは言うまでもない。