「…うん、決めた。これにするわ」


天李がようやく選んだのは、小太刀の中でも小振りのものだった。


本来戦闘用ではないのだろう、流れるように美しい模様が刻まれている。


これが今後、血に濡れることになるとは。


少し残念に思った。


そうならない未来がくる可能性が、ないわけでもないが。


…いや、未来を語るのは好きではない。


浮かんだ考えを消し、預かった金で支払いを済ませて外に出た。


「そういえば斎藤さん…」


頬の紅潮がまだ残っている天李が、うって変わってじとりとこちらを睨む。


「さっきの子守りっていうのは、どう意味かしら?」


「そのままの意味だが」


「…」