かけがえのないものに、代わりなんてない

「すみません。なんか関係ないのに泣いちゃって」

「別にいいけどなんで泣いてたの?」



薺先輩は、私の少しの涙が止まるまで、ゆっくり待っててくれた。

完全に涙の止まった私は、静かに口を開いた。




「私、親友がいるんです。麻衣っていう子。
高校入って知り合ったんですけど、とても優しくてお姉さんぽくて、自慢の友達で……

まだ出会って二ヶ月ちょっとだけど、ホントに大好きなんです。


だから、麻衣がいなくなっちゃったらって思うと、悲しくなって…………」


―――――だから薺先輩は、

「黒川先輩の方が悲しいって思ってるみたいですけど、やっぱり薺先輩だって悲しいし……
なんかよくわからないし、上手く言えないんですけど……