かけがえのないものに、代わりなんてない

「だけどある日。中ニの時だったかな。
颯に言われたの」


―――――俺、サキのこと好きだから。
夏の合宿で告白するから応援してほしい。



「夏の合宿?」

「あ、私達が通ってた中学ではね、中二の夏休みに合宿があったの。
海水浴とか、花火大会とかもあって……
告白といえば合宿!みたいな感じだったの」



へぇー。そんなのがあったんだ。

花火大会で告白とか、意外とロマンチックじゃん、先輩。


「それで、告白はうまく行ったんですか?」




そう質問してから後悔した。

サキさんじゃなくて私だったけど、抱きしめるくらいなんだから、付き合ってるに決まってるよね。

なんてバカな質問しちゃったんだろ。私。