かけがえのないものに、代わりなんてない

まだ運動部は部活をしている時間だから、だろうか。
裏の公園には私達以外いなかった。


「まあ座ろ座ろ」


先輩に促されて、ゆっくりとベンチに座る。




「あのさ、雅ちゃん」

「は、はいっ」


先輩と二人きり……なんだか気まずくて、緊張する。



「颯って、どんな人だと思う?」

「黒川先輩…………」


黒川先輩は、勉強はできるし運動もできるし、なんでもソツなくこなせて……
それにクールなんだよね。

そんなとこもカッコいいって言われてるけど。