三日前の、イケメンとの出会いを思い出してぼーっとしていると、背後から声がかかった。


「みーやーびー？
生きてるー？」

「あぁ、麻衣(まい)？
どうかしたー？」


のーんびりと振り返った私の視線の先に、目をキッと吊り上げた麻衣がいた。


「雅！“どうかした？”じゃないでしょ。
次、学芸会練習でしょ！」

麻衣は、もう楽譜の入ったファイルを抱えている。

「そういえばそんな気が……」


うちの学校では、一年生は学芸会で、合唱をする。

地域の人達もたくさん見に来るから、先生も気合いが入ってて……
少しでも遅れると学年全員の前で長ーいお説教。
すなわち公開処刑！

だからみんな、遅刻しないように超特急で体育館に走るのだ。