かけがえのないものに、代わりなんてない







「雅ちゃんいる?」

慌ててドアの方を向くと、鞄を持った薺先輩がいた。



「ごめんなさい!今行きます!」


慌てて麻衣を振り返る。

「ごめん。また明日!」

「はーい。いってらっしゃい」



鞄を抱えて走って行くと、薺先輩は爽やかに笑って、「じゃ、裏の公園に行こっか」とゆっくり歩き出した。