かけがえのないものに、代わりなんてない

「ちょっと麻衣…」

「あんたの中学校の友達、目ぇ腐ってんの!?」

「いやー正常だと…」

「じゃあなんでこんな可愛い子が近くにいて、何もせずにいられるのよ!」


またまた机を叩いた麻衣を前に、私はある事を思い出した。


「私、中学生の時、すんごくイモかったの」

「芋?」

「そう。前髪激重ロングで、眼鏡。制服のスカートも、きっちりふくらはぎ丈で着てたし」

高校に入学するのを機に、髪も切ってコンタクトに替えたんだけどね。


そこまで言った私が、スマホを操作し中学時代の写真を見せると、麻衣は目を見開いた。

「これ、ホントに雅なの?」

「そうだよ」

「へぇー。人ってこんな変わるもんなのねぇ……」


麻衣は、私の顔をズームして楽しんでる。


「恥ずかしいからやめてって!」

「あはは、ごめんごめん」