かけがえのないものに、代わりなんてない







「嘘ー!ないないないなーい!!」


私が顔を赤くして、必死で叫んでいる理由。
それは…………

麻衣が言った言葉。



――――――――素直じゃないけど可愛いヤツ





こんなの冗談に決まってる。

それなのに照れるなんて、やっぱり私って、おかしくなった?


「やっぱり雅、純粋じゃん」

「絶対違うっ!」

「この真っ赤なほっぺを見ても、そんなこと言えますかー?」


ニヤニヤした麻衣が、私のほっぺをツンツンする。




予鈴が鳴り、残り少ないお弁当をかき込むまで、私の顔は熱を持ったままだった。