かけがえのないものに、代わりなんてない

「それにしても、雅どこ行ってたの?」


いきなりの麻衣からの質問で、現実に呼び戻される。



「え、えと……」

「倒れたんだから、あんまり無理しないで。
何かあったら私に言って?」


「麻衣…………」


優しい親友に感動する。

だけど、流石に黒川先輩のことは言えない。



罪悪感を抱えつつ、私は恐る恐る口を開いた。

「あのさ、麻衣」

「ん?」

「男の人に頭を触られて、顔が熱くなるのって変?」