かけがえのないものに、代わりなんてない







「雅〜!お帰り!」


元気よく手を振る麻衣の机に置かれた、お弁当箱の蓋はまだ閉まったまま。


「え?もしかして麻衣、待っててくれたの?」


「たまたま!まだ食べてないだけ」



親友の温かさに感動しながら、お弁当を手に麻衣の元へ向かう。

「ホントにごめんね」

「いいの!今日昼休み一時間あるでしょ?」


そうだった。

今日は月曜日で委員会があるから、昼休みは一時間。


ちなみに、麻衣も私も帰宅部兼委員会無所属。

麻衣曰く、華の高校生活を謳歌するためらしい。



もちろん、麻衣にも私にもステキな相手はまだいないんだけど。