「よっこらせっと」

上半身をゆっくり起こす。



「……っ!」

一瞬、視界がグラリと揺れる。

だけど、立ちくらみのようなものだったのだろう。すぐに視界は元に戻った。




ゆっくりと、足を床につける。
そして、静かに腰を上げる。



よし。調子、いい感じ。


カーテンを開け、外に出る。



おっ!保健室。

いつもと違う角度から見る保健室は、ちょっと新鮮だ。




隣のカーテンに近づき、耳をそばだてる。

保健室のベットは、周りがカーテンで囲まれていて、中の様子が見えない。


スースーと、規則的な寝息が聞こえる。

男か女かもわからない。
それでも私は、カーテンに手を伸ばした。