16:00頃、電話が鳴る。君の番号だった。

 『もしもし?ひなさん?』

 『望さん?ひなです。今、釣りから戻ってきて落ち着いたとこなの。魚を料理してくれるお店教えて貰ったからそこで良い?』

 『うん、そこまでして貰って悪いね。』

 『大丈夫。これからホテルに迎えに行って良い?』

 『うん、エントランスで待ってる。』

 『すぐ行くね。じゃあ。』

 君は一方的に電話を切った。俺は財布をポケットに突っ込んで、慌ててエントランスへ向かった。