俺の中で、君が大きくなってゆく。君を俺のものにしたくて、たまらない気持ちになる。君の可愛い寝顔を見ながら俺は君を慈しむ。

 「ひな…。」

 俺は君の髪をそっと弄ぶ。君はうつらうつらしながら俺を見つめる。

 「ひな、明日は買い物行こう。」

 「んんっ、いいけど。何処に?」

 「表参道行こうよ。」

 「うん、何か良いもの見つかるかな。」

 「そうだね。」

 優しい気持ちになって、君を抱き寄せる。

 「望さん?」

 少し笑って君の頭を撫でる。

 「ひなは普段、一人の時はどうやって過ごしてるの?」

 「うーん…。内緒。」

 「教えて?」

 「泣いてる。」

 「え?」

 「ずっと一日中泣いてた。でも、最近は望さんの事考えてみたり、少し忙しい。」

 「ひなは頑張り屋さんだな。辛い事から逃げずに受け止めて。」

 「そうなのかな。でも、少しだけ時間が動き始めたよ。」

 「そうなの?」

 「うん、望さんにこの間色々買って貰って、それで私、愛されてるんだなって。お金使ってくれるんだなって。」

 「ひなを、飾りたくなるんだ。」

 君は少し笑う。

 「私はこの見た目でとても苦労してきたから、素直にこんなに受け入れられたの初めてで。」

 「ひな、綺麗だよ。嫌かもしれないけど、本当に綺麗だよ。」

 「望さんに言われるの、悪くないかも。」

 「人は綺麗な物が好きだからね。ひなに寄っていっちゃう。」

 「守って?」

 「うん、人の視線から君を守るよ。」

 俺達は指切りをした。