プラネタリウムは空いていた。予約をしてあった席へ案内される。

 「すごいね、最近のプラネタリウム。」

 シートからはアロマの香りがする。

 「シートにアロマデフィーザー付いてるみたい。」

 ブランケットを膝にかけながら君は楽しそうにシートを見る。ブランケットの下で君の手を握る。

 「望さん。」

 「ひなとイチャイチャしたい。」

 君は少し笑って俺の首筋にキスをする。その悪戯に少し驚かされつつも、俺は君の唇を指でなぞる。

 「だめ…。唇は…。」

 「知ってる。」

 君は少し困った顔になる。くるくる変わるその表情はとても可愛らしくて。

 「ひな、可愛い。」

 「望さん、素敵。」

 二人でクスクス笑う。君はとても楽しそうで、嬉しくなる。君とならずっと笑っていられる様な気がして。そんな俺の気持ちを読む様に、君は俺の頬を撫でる。

 「ひな、ひなは俺の心を読んでる?」

 君は少し微笑むだけ。

 「始まるよ?」

 室内が暗くなる。その薄闇の中で、俺は君にキスをした。