君が俺の腕の中で眠ってる。気持ち良さそうに、すうすうと。こんなに可愛い生き物を苛めてきた男達に腹が立った。

 「大好きだよ。」

 そっと肩を撫でて、君を慈しむ。

 「君を愛する世界もあるんだって、分かって欲しい。」

 君は眠りながら涙を流す。眠っている間もずっと君は苦しんでる。こんなに苦しんでるなんて、堪らない気持ちになる。君を抱き締めて、頭を撫でる。

 「俺が助けてあげる。君を側で支えてあげる。」

 君の涙を拭う。君は目を覚まして、俺の胸に顔を押し付ける。

 「ひな。起きた?」

 「んんー。おはよ。」

 「大事な事、言い忘れちゃった。」

 「なぁに?」

 「俺と付き合って下さい。」

 君は暫くぼんやりとしていたけれど、そっと視線を外して小さく頷いた。きっと、これが本当の君。俺は君を手に入れた。