手元を見てみると、奴が几帳面すぎて全然進んでなかった。それなのに、表情は一生懸命で凄い集中力だった。


下校時間を過ぎると面倒くさい。
教師に引き止められ、その後は目をつけられるからだ。


時計も見ないコイツは、バカ真面目だなと思った。


わたしは、流石にやばいと思い声を掛けた。


『ねえ、時間ヤバいよ?』


すると、奴は時計を見て焦り始めた。
さっきの集中力とは違う慌てぶりにわたしは、笑ってしまった。


「なに笑ってんだよっ」