月は夜に恋をした

「…何かあったの?」


木下の問いに、私は、口を開こうとして、閉じた。


今は言えない。知られたくない。まだ私は、全部を話す勇気がないから…


いつか話す!と自分に言い訳をして、目を閉じた。


「ごめん、帰ろ!もう大丈夫」


気がつくともう10分くらい経っていた。2人のところへ戻ると、


「2人でどこ行ってたのーっ!」


と夏苗が飛びついて来た。