月は夜に恋をした

「あ、ごめん。ちょっとびっくりしちゃった」


あはは、と言ってごまかした。トラックなんてなんにも怖くない。うん、大丈夫。


「あ、そろそろ図書館つくよ!男子達待ってるかもしれないし、早く行こ!」


夏苗の不安そうな顔を、見ぬふりをして、明るく振る舞った。


「そ、そうだね!」


男子達は先に着いて席を取っておいてくれていた。凄く綺麗な図書館で、木と本の匂いが充満している。


「じゃあ、始めるかー!」


みんなそれぞれに教科書やノートを取り出し、黙々と勉強を進めていった。