月は夜に恋をした

放課後。


鞄に教科書とノート、ワークを入れ、夏苗と図書館へ。いつもの帰り道とは反対側の道を歩く。


「こっちの道、初めてだね!」


「うん!来てみたかったけど、それじゃスーパーのタイムセールに間に合わないからね」


「タイムセール?」


しまった。余計なことを。両親出張中の私は、今家に1人。別に隠しているわけではないけど、変に誤解されても困るし…


「ちょっとね。家事とか色々やってるから」


「え、凄いじゃん!じゃあ料理とかも上手いの?」


「そんなに上手くはないと思うけど…普通のお母さんくらいには」


うん。私のお母さんほどしか作れない。そもそも、仕込んだもお母さんだし。