月は夜に恋をした

バスに乗って1番奥の席に座り、外の景色を見た。


ちょっとだけドキドキしている。


不覚にも木下にときめいてしまった。


でもきっとこれは、木下と「いっくん」を重ねてしまったから。


真剣な横顔が、「いっくん」に見えて。


あいつにどれだけ会いたいんだろう、私。


早く忘れてしまいたいのに、また今日も沢山思い出してしまった。


…寝て忘れてしまおう。


家に帰ってすぐ、カップラーメンを食べて寝た。早く忘れろ、と願って。