月は夜に恋をした

お父さん、いないのかな。多分あれは、過去形だと思う。ただ単に最近遊んでないだけなのか、私の思い違いか…


詳しいことはわからない。でも踏み込んではいけない気がした。


「…ん」


木下からリモコンを受け取って、一緒にゲームをした。やっぱり会話は続かなくて、気まずい空気が流れていたけど。


「楽しかったー!」


時刻は6時。夕日が差してきたところで、終わることにした。


「じゃあね」


家の前で手を振ると、切なそうな顔で木下はこっちをみた。