月は夜に恋をした

「…そんなに珍しいか?」


「うん。いっつも無表情じゃん。いや、というかキャラ違うくない?」


「そんなことない、と思うよ」


ちょっとだけ私の方を向いたあと、すぐに下を向いてしまった。


そのあとはなんの会話もなく木下の家までついてしまった。


「ボロいアパートだけど。どうぞ」