月は夜に恋をした

「じゃあね!」


いいなぁ〜と言いながら渋々部活へ行った夏苗と、助けてくれと言いたそうな目でかえった柊と別れて、バス停まで木下と歩いた。


「あはは、柊、大変だね」


お母さん、厳しい人なんだな。


「あいつの母さん、柊に期待してるからなぁ」


木下がふ、と笑った気がした。


「ん?え、笑った…?」