「仕方ないよ。だってあのネズミだもん。それより、6時間目は国語だからよかったじゃん」


国語の先生は厳しくて有名な女の先生。でも普段は優しくて生徒思い、授業も分かりやすいいい先生だ。


もちろん私も、友達の篠塚夏苗も、その先生が好きだった。


ちなみに、さっきの『ネズミ』は社会の先生。自己中の「チュウ」と出っ歯なことから裏ではそう呼ばれている。可哀想だと思わなくもないけど。


「それよりさ、今日ゲームしに行っていい?」



「いいよー。また攻略できないステージあった?」


「うん…頑張ったんだけど、やっぱここは真月に聞くしかないと思って…」


先月この学園に入学して、最初にできた友達が夏苗だった。可愛い子だな、と思っていたら、向こうから話しかけてくれた。


そしたらたまたま、おんなじゲームが好きだったんだ。


この学園はほとんどが中等部からの持ち上がりで、高等部からの入学が私と夏苗、それから同じクラスの男子2人、他のクラスに2人だけ。