月は夜に恋をした

「私…いるよ、好きな人」


「えっ?!」


ずっとずっと、好きな人。でもそれは、私の恩人でもあって。


「小5の頃から、好きなんだ。片思いでさ。でも、結局何にも言えずに、小6の時相手が引っ越しちゃった」


言い切って、ゴクリとコーラを飲んだ。でも炭酸が喉にしみて痛くなるだけだった。


「そっか…私も、実は好きな人いるんだよね」