ってあれ、ん?



「あなた、だれ?」


「へ?俺?」


「うん、だれ?ここどこ?」


「昨日のこと、忘れたの?」



昨日?



「わーまじかよ」



昨日....昨日.....



「あー!」


「思い出した?」



コクコクと頷く。途端に恥ずかしくなって布団にくるまる。



「あ、こら。寝ない」


「やだ見ないで恥ずかしい」


「何を今更 何急に恥ずかしくなってんの」


「いやだって昨日の私.....って何言ってんの私!」





昨日は私の誕生日だった


毎年忘れられてて安定に今年も祝われたかった


そこまではいいんだ。

家に帰ると


両親が喧嘩してて、お姉ちゃんは泣きながら家を出ていった。


窓の外を見ると


やっぱり、お姉ちゃんは親の喧嘩を見てて怖くなると隣に住んでる幼馴染兼彼氏の颯兄ちゃんこと颯太(そうた)の家に行くんだ。



私は自分の部屋のベッドで声を殺して泣く。




どうして?どうして私の家はこうなの。


お姉ちゃんはいいな。

相談する相手がいる。泣き場がある


でも私は....。

考えるだけ無駄。か、


"誰か助けて"

いつも声にならない声で叫ぶんだ。


誰も助けてくれないのは"知ってる"。





夜中目が覚めてリビングに行くと

「離婚するから」

と言われた


「そう」

それだけ言うと


「施設に行くか、1人で暮らすか選びなさい」


「お姉ちゃんは?」


「颯太くんのところに住むみたいだ」


「そっか、颯兄ちゃんなら安心」


それだけ言って家を出た。