その夜、私たちは同じベットで眠った。
初めて肌を合わせているのに、その温もりが心地よくて、溶けていくようだった。
何度も何度も求められ、「もー、無理」と言っても許してはくれない。

「やっと手に入れたんだ。止められるわけないだろう」
やっぱりボスは独占欲の塊。
いつも冷静ですました顔をしながら、欲しいものは必ず手に入れる。
そんな人だ。

私はとんでもない人に捕まったのかもしれない。
もう後戻りはできないと分ってはいても、この先を考えるのが怖い。

「この状況で考え事とは、随分余裕だね」
意地悪い顔。
「ちがっ」
言いかけた私は唇を塞がれた。

さんざん私を翻弄した後、チクリと体中に赤い印がつけられていく。

「お願い、もう・・・あぁ」
許してと言いたいのに、体が別の声を上げる。
「ククク。かわいい」
「意地悪」
「うん、知ってる」

そしてまた、私に沈んでいく。

「ああ・・・もう・・・・・副院長」
思わず出た言葉に、
ピタリ。
ボスの動きが止まった。

一旦体を起こし、私を見下ろすボス。
顔が怖いです。

「呼び方変えて」
「え、そんな、急に言われても・・・」
ずっと副院長って呼んできたのに、
「ちなみに、ボスも却下」
「し、知ってたの?」
ボスの前では言ってないつもりだった。
「時々もれてた」
はああ。

「真之介でいいよ」
いいよって、随分ハードルが高いんですけれど。

「真之介って呼んでくれるまで、俺はやめない」
「え、待って、」

再び始まったボスの攻撃。
自分の体の感覚がなくなるくらい、攻められた。

「もー無理。お願いやめて。し、真之介ー」
叫び声と共に何度目かの限界を迎え、私は意識を失った。