もしそうだとしても、これ以上迷惑をかけてはならない。
ここは勇気を出さないといけない場だ。
今もまだ御坂くんとの距離はあるため、まずはこの距離を詰めなければならない。
その時ふと、御坂くんの鞄が目に入った私。
その鞄を掴んで近づければいいのではないか。
掴むのは鞄で、男の人ではないのだから。
そう自分に暗示をかけようと思い、何度も心の中で唱える。
今から掴むのは鞄、男の人の鞄だとしても鞄は鞄だ。
私はあくまで鞄に近づいている。
鼓動が速くなる中、意を決して御坂くんの鞄を掴む。
一瞬ピクッと反応した御坂くんだったけれど、私のほうは向かずにそっとしておいてくれて。
そのおかげもあってか、なんとか距離を詰めることができた。



