御坂くん、溺愛しないで。




自然と足に力を入れることができ、ゆっくりと立ち上がる。

そして御坂くんの後ろをまたついて行こうとすれば───


「……理玖!」

また筧くんが、今度は強い口調で御坂くんを呼んだ。



「お前、バスケ部入らねぇのか?」


その言葉に御坂くんはピクッと反応し、足を止める。

そのため少し距離をあけて歩いている私も同じように足を止めた。



「……入りません」

もう入らないと決めているのだろう、御坂くんは振り向くなりすぐ質問に答えた。

そんな御坂くんに少し違和感を覚える。



「もう一年が何人か入ってきてくれたけど、全員バスケが好きで入ってきた。だから理玖だって…」


稀に見る筧くんの真剣な表情。
バスケをしている時は、こんな風に真剣なのだろう。

普段のふざけた感じがひとつもない。