パッと顔を上げれば、そこには焦った様子の御坂くんがいて。
「先輩から離れてもらっていいですか」
御坂くんは私のすぐそばまで来て屈むなり、背後にいた男の人たちをきつく睨みつけた。
「え、理玖…?」
するとその中のひとりが御坂くんの名前を呼ぶ。
「なんでお前がここに…って、もしかしてこの子木原ちゃん!?」
あれ、この声を私は知っている。
“木原ちゃん”と特殊な名前で呼ぶ人はただひとり。
筧くんである。
恐る恐る振り返れば、やっぱりそこには筧くんがいて。
バスケ部のロゴの入ったスポーツバックを肩から下げていた。
どうやらバスケ部の集団のようで。
「あ…」
何か言葉を発せようにも、声がまったくでない。



