御坂くん、溺愛しないで。




背後で御坂くんが私の名前を呼んだ気がするけれど、振り向かずただひたすら走った。

気づけば駅から離れた場所に来ており、人通りが少なく唯一の光は街灯だけという暗い道に私はいた。


慌てて周りを見渡せば周囲に人はおらず。
涙はおさまり、今度は後悔に襲わる。

また御坂くんに迷惑をかけてしまった。


「はぁ…」

きっともう御坂くんは帰っただろう。
私の態度に怒ってしまったかもしれない。


つまり今度こそ私はひとりである。


「お父さんとお母さんの仕事、何時に終わるんだろ…」


両親は共働きのため、家に帰るのはいつも遅い。

もし両親を待つとなれば午後八時は余裕ですぎるだろう。


確か高校から一番近い飲食店は駅を挟んだところにあるはずだ。