御坂くん、溺愛しないで。




「すぐ平気になれるわけないですよね」
「えっ…」

「鞄、ここの椅子に置いときますね。
この距離は平気ですか?」


ゆっくり顔を上げると、カーテンを開けて椅子よりも後ろに行く御坂くん。

そして椅子には私の鞄が置かれていた。


「だ、大丈夫です…!」

また御坂くんとの距離が遠のいたため、彼の目を見ることもできた。


「これが境界線ですね…わかりました。
じゃあ俺先歩くんで、後ろついてきてください」


すぐに怖がったり平気になったりする私を面倒くさいと思わず、落ち着かせるかのように優しい笑みを浮かべてくれる御坂くん。

けれど優しいからこそ私に付き合ってくれる部分もあるのだと思い、余計に申し訳なくなる。