意を決して、毛布から顔を覗かせる。
本当に悪いと思っているのだろう、彼は私と距離をとった位置に立っていて、頭を下げていた。
「あ、頭…あげてください」
少し声が震えてしまう。
男の人とまともに会話をするのは何年ぶりだろう。
それぐらい昔の話である。
私の声を聞いた彼は頭をあげるなり、少し驚いた表情をしていて。
「私が、ごめんなさい…気を失ってしまって……」
琴葉の後輩だったとしても、怖くて思わず敬語になってしまう。
せっかく彼の優しさで、男嫌いの克服を協力してくれるというのに、初めからこんなことになってどうする。
頭では理解できていても体が言うことを聞いてくれない。



