そんなバカな人間に呆れて放ってくれたらいいのに、どうしてすぐそばにいるのだ。
もしかして私を保健室まで運んでくれたのだろうか。
そうだとしたらお礼を言わなければならないというのに、毛布から頭を出すことができない。
「木原さん」
そんな状況の中、また彼が私の名前を呼ぶ。
そのためぎゅっと毛布を強く握ってしまう。
「本当にすみません」
「……え」
何を言われるのだろうと思っていたら、まさかの謝罪の言葉が彼の口から発せられた。
思わず間抜けな声が出てしまう。
「琴葉さんから気をつけるよう言われていたのに、俺が触れたせいで気絶させてしまいすみません…」
どうして、彼が謝るのだろう。
謝るのなら私のほうだ。



