「こ、こ、来ないで…きゃっ」
思わず後ずさりしてしまう私。
けれど震える足にうまく力は入らず、腰が抜けてその場にお尻をついてしまった。
「大丈夫ですか?」
「こ、来ないで…」
うまく声が出ない。
掠れた声になっているせいで彼の耳に訴えが届いていないようだ。
そのため首をひたすら横に振り、拒否するけれど。
逆に何かあったのかと思わせてしまい、ついに私の目の前で屈まれてしまった。
一対一でここまで近づかれるのは久しぶりで、心臓がバクバクとうるさく鳴り響く。
嫌な汗も流れ、もう限界はすぐそばまで来ていた。
怖すぎて声も出ない、俯くことすらできない。
「あの、とりあえず落ち着いてください」
まっすぐ私を見つめてきたかと思うと、突然彼の手が伸びてきて。
私の頭にその手が置かれてしまった。



